T、臨床医学概論
 @授業の概要
  健康とは何か。また教養としての医学知識について概説する。担当者の専門領域である小児科学および障害児学を中心に、子どもの問題や、家族や周囲の関わり方についても触れる。さらに、少子・高齢化に伴い、子供達の周りから死が遠ざかった事から派生して生じた死に対しての誤った認識を是正するため、「死を通して生を考える教育」とのテーマで、受講生と共に死について考えることにより、「生きることとは何か」という命題に迫りたい。

 A授業の目標
  現在のわが国における子育て環境はかなり悪化していると思われる。このような状況の中で子育てを行う将来の母親達や、子供関係の仕事に就く学生のために、必要な子供に関しての最低限の知識や考え方を得て頂くことを目的とする。出来るだけ、難しい話しは避け、これまでの小児科医としての40年間以上、障害児関係の30年間以上の臨床経験で得られた経験を交えて、また幾つかのビデオなどの視聴も含めて講義を進める。

 B授業計画
  1.健康とは
  2.障害とは (1)臨床障害児学総論
         (2)臨床障害児学各論_1
         (3)臨床障害児学各論_2
  3.主要症状からその原因を探る(各種症状の問題性)
  4.死を通して生を考える(1):ビデオ
  5.死を通して生を考える(2):ビデオ
  6.死を通して生を考える(3):概説
  7.死を通して生を考える(4):安楽死等
  8.死を通して生を考える(5):討論
  9.生活習慣病とその問題点
 10.保健医療対策 (1)母子保健
      (2)教育上必要な疾病(エイズ等)

 C成績評価
  主として、講義終了後の筆記試験で行う。
  途中、何回かの感想文やアンケートに応じて頂く事もある。

U、精神保健
 @授業の概要
  保育を目指す学生に、特に小児医療との立場から、成長・発達という子供に特有な点について概説し、子供の理解を深めてもらう。特に心身症など、最近の子供に見られる心の問題に関しても述べると共に、虐待や事故、ないし、救急療法など、子供に関わる仕事に従事する学生や、将来、子育てに際して母親として必要な基本的知識を理解して頂くべく項目に関して出来るだけ具体的に、これまでの臨床経験をふまえて講義を行う。
 A授業の目標
  上述のごとく、将来、子育てを行うに当たって、あるいは、子供関係の仕事に就く場合の最低必要限の子供に関しての知識や考え方を得て頂く事を目的とする。
この為には、子供における身体的面は言うまでもなく、精神的面に関しても十分な知識と理解が必要である。
さらに、一般的に子供というものはどのように行動し、どのように考えているかについて最低限理解をしていないと子供を理解することはできない。

 B授業計画
  1、小児における成長と発達(乳児、幼児、学童、思春期)
  2、小児における統計的事項
  3、小児における心身症
  4、児童虐待
  5、子育ての現状と課題(1)
  6、子育ての現状と課題(2)
  7、人口動態と最近の子供たち
  8、小児の健康と生活
  9、小児における事故とその対策
 10、救急医療
 11、死を通して生を考える教育(1)
 12、死を通して生を考える教育(2)
 13、死を通して生を考える教育(3)

 C成績評価
  原則的に、講義終了後の筆記試験により評価を行う。

 D学習方法
  出来るだけ、視聴覚的講義にすべく、スライドやビデオを多用しする。

 E履修上の注意
  授業に参加し、いろいろな知識を得たり、多くの問題を一緒に考えてもらうことにより、将来、母親になった時に、子育てに自信を持てるようになって頂きたい。
  また、出来るだけ、中村研究室に置いてある図書を読んだり、ビデオライブラリーのビデオを見て欲しい。
さらに、講義中での質問はもとより、講義時間外での質問、討論を歓迎します。その場合は、前もって、時間の予約を取ってから、研究室にお出でいただきたい。

 F教科書
  特に指定しないが、下記参考書を参考とされたい。

 G参考書
  1、馬場一雄、中村博志監修:女子大生のための小児保健学、日本小児医事出版社、1997
  2、中村博志著:死を通して生を考える〜すこやかな子供を育てたいおかあさんへ〜、リヨン社、2006