X、今後の本研究会の方向性

 これは研究会員全員の考え方ではない事をまず申し上げておかねばならないが 私が考える「死を通して生を考える教育」は、デーケン教授らが行っている運動とは若干異なり、 現在健康でいる子どもないしは大人に対しての働きかけが中心である。これらの人々に、現在かなり忘れられつつある死の問題を、 もう一度身近な問題として考え、捉え直してもらうことがその主眼である。 現在の若者達に死を考えてもらう事を通じて自分の生き甲斐を模索してもらう事が極めて重要と思うからである。 研究の内容やその対象が一人ひとりそのおかれた立場が異なり、しかも、微妙でかつ難しい点を含んでいることから、 基礎的研究等を通じて、かなり慎重に進める必要があると思われる。 しかし、社会や子供たちの問題は現在極めて深刻な段階に到達していると考えられる。 従って、出来るだけ短時間で進めていく必要があると認識している。
 今後研究会を支えてくださる学校の先生方をはじめとして、これを後ろから支える基礎研究の部分までを含めて全員が一致団結して研究を進めていくと共に、この運動がいわば、一種の社会運動として広まっていく事が望まれると考えている。
文献
1)荒川裕子、中村博志:「こどもにおける死の認識の発達的研究」、小児保健学会発表.1998.10.2 
2)金子政雄他:「いのち」に関する小学生の意識調査、生物教育第35巻第2号、1995
3)中村博志他:第48回日本小児保健学会報告予定、2001年


死を通して生を考える教育関係トップに戻る